温帯域に生息する爬虫類の繁殖には、冬眠が必要不可欠と言われていますが、飼育環境下では、完全冬眠はリスクが自然環境下よりもリスクが大きいと考えています。
それは、飼育環境下は自然環境下よりも環境の変化が起こりやすいからです。暖かい日もあれば冷えた日もあります、限られた大きさの飼育環境下では、そのような変化を直接受けてしまうから。
ダイヤモンドバックテラピンの飼育方法、特に冬眠には誤解があるようです。冬眠が必要?正解でもあり不正解でもあります。
理由は、生息域が北から南までかなりの幅があることが挙げられます。亜種で言えば、ノーザンやカロリナは耐寒性が高いですが、オルナータやテキサス等はそれほ耐寒性はないと感じています。
ここまでは一般論、ここから先はうちの飼育環境(繁殖実績あり)での説明になります。亜種別に説明します。
◇オルナータとテキサス
この2亜種は、冬眠をさせる必要はないと感じていますし、生息地を考えると必要ないと考えています。(理由はあえて書きませんが、生息地と汽水域に住んでる事を考えてください)
※汚くてごめんなさい
現在の飼育環境は、玄関に水槽を設置(リビングより冷えます)水温を22度程度、ホットスポットを設置しています。ここには雌親個体を入れています。
こちら交尾水槽、雄4頭が入っています。
外の飼育部屋、玄関よりも更に冷えます。水温24度設定、ホットスポット設置しています。今の時期、雌親を交代でここに入れています。交代する時は、2日ほど雄だけの時間を取った後に雌を入れるようにして1週間から10日ほど放置しています。
※春や夏よりも水温は低く設定し、クーリングはしていますが、冬眠はさせていません。餌も夏より少ないですが与えています。
◇カロリナ
こちらは、冬眠できるかなと思いますが、やはり不安の方が大きのでクーリングにしています。
ホットスポットは設置していますが、加温はしていません。ここの今朝の温度(外気温3度:室内13度)、昼間はだいたい外気温+6度ほどを保っています。
この水温でも、餌を食べます(夏よりはかなり少ない)し、交尾活動もしています。(こちらは、雌雄混在)
◇自論
ダイヤモンドガメ(ノーザンを除く)は冬眠をさせる必要性はあまり感じていません。クーリング(低温刺激)がすれば、交尾活動もしますし、繁殖も行えます。
◇工夫
実は、クーリングの実施時には、塩分刺激を与える事が多いです。外出時に海の近くに行った時に、2Lのペットボトルに海水を汲んできて、雌雄を一緒にした時とか、タイミングを見て入れています。この刺激で交尾活動が促進されているような気がします。
◇2021年の繁殖を考えているなら、この冬の時期は大切な期間です。どの程度クーリングするか、どんな刺激(塩分・温度)を与えるか、交尾を確実に行うために、その飼育環境に合った工夫が必要だと思います。飼育環境下だからこそ飼育者が考え工夫することが必要です。